村上春樹らしいテーマを人工衛星とうまくマッチングさせている作品
主な登場人物は“すみれ”と“ミュウ”と語り手の“ぼく”。
“ぼく”は すみれに恋愛感情を持っている。
すみれは“ぼく”を大事な友人と思っていて、ミュウに恋愛感情を持っている。
ミュウは結婚していて、すみれの雇い主。ある体験をした後に自分の半分を失ったと感じている。
すみれとミュウがギリシャのとある島に滞在中、突然すみれが消えてしまい、“ぼく”もギリシャへ行くことに。
1957年に打ち上げられた世界初の人工衛星であるスプートニクは、22日後に電池が切れた後も軌道周回し、92日後に大気圏に落ちて消滅しました。
ロシア語で「付随するもの」から転じて「衛星」の意味になった“スプートニク”。この小説の中では「旅の連れ」とされていて、すみれや“ぼく”の思考のイメージとしても使われます。