この大家さんにお会いしてみたい、と誰もが思ったはず。
作者の矢部太郎は、お笑い芸人カラテカの片割れ。仕事の都合でそれまで住んでいたマンションを出ることになり、不動産屋に紹介されたのが木造一戸建ての2階の部屋。1階には高齢の大家さんが住んでいる。現代人なら敬遠するような条件。実際、最初はとまどったり多少のうっとうしさを感じている場面もあるが、大家さんの生活や人生、気持ちを理解するうち、徐々に交流が深まっていく。
矢部太郎自身の体験を元に描かれていますが、本人曰く「フィクションであり、大家さんは“僕自身が接し、話し、見ていた大家さんからイメージして作り上げたキャラクター”」とのこと。
思わずクスッと笑ってしまったり、驚いたり、しんみりしたり、 いろいろなエピソード満載で、読み終わるとほっこりした気分に。誰もが一度は「大家さんにお会いしてみたい〜」と思ったのではないかと想像しますが、残念ながらこの後お亡くなりに。その様子は続編『大家さんと僕 これから』で描かれています。