「となりのトトロ」に影響を与えた?
祖父母の家で静養している出産後の母と赤ちゃんに会いに、雪が降る中、父と一緒に出かける少年。バスを降りたら猛吹雪。前を歩く父の姿を見失いながらも、目印を見つけ一歩一歩進んでいく。
雪の冷たさ、寒さが見開きから伝わってきます。と思ったら暖かな春のレンゲ畑の絵が。これは少年が吹雪の中で見つけたお地蔵さんからの記憶の景色。そしてよみがえる祖母の言葉。
この繰り返しで夏・秋の景色をはさみながら、遭難するのではと心配になるくらいの吹雪に立ち向かっていく少年の心情と成長を見事に表現している絵本。
1988年公開の「となりのトトロ」に影響を与えた、と思うのは出だしの設定。お父さんは大きな鯛を背負っています。出産後の妻に食べさせるためと思われます。妻のいる実家は「七つ森」。
トトロの設定では母は病気で「七国山病院」に入院しており、娘のメイは母に食べさせようと、トウモロコシを抱えて走っていきます。とは言え、「七国山病院」のモデルは東村山市の八国山緑地にある病院らしいので、偶然かもしれませんが。