今までにない読書体験あり漫才要素あり
タイトル通り、30歳過ぎまで本を読んだことのないWEBライターの“みくのしん”。同じくWEBライターの“かまど”は、「そんな人が本を読んだらどうなるか」知りたくて、彼に『走れメロス』を読ませ、レポートをWEB上で発表。それが大ヒットになり、出版の運びとなったのがこの本。
『走れメロス』に続き『一房の葡萄』『杜子春』と文豪作品を読んだ後、ヒットメーカー雨穴の書き下ろし作品『本棚』を読む。
この本の特徴は、“みくのしん”の読書体験を読むことができると同時に、読者も『走れメロス』などの作品を再読(又は初読)できること。“みくのしん”の、自分とは全く違う読み方や反応が新鮮で、なおかつ適切なツッコミをする“かまど”との掛け合いもおもしろくて、何度も声を出して笑ってしまいました。そして涙も。
最後には“雨穴”の書き下ろし作品を読む様子も掲載されていて、もちろん読者も読めるのですが、“みくのしん”と一緒ではなく、自分だけで先に読めるようにQRコードが付いている、という仕掛けになっています。
なぜここで“雨穴”?今売れてるから?、と思ったら、“雨穴”も彼らと同じサイトに記事を書いているWEBライターだったんですね。なんとも贅沢な、新しい、それでいておもしろい本です。