書かざるを得なくなった、辛く胸の痛む回想録
マンガ家の萩尾望都。既にその名前は神格化されており、名実ともに少女漫画を芸術の域に引き上げた功労者。
その彼女が自伝を出したことは、当時かなり話題になりましたが、内容についての噂がチラホラ耳に入ってきて、買うのを躊躇しているうちに3年経ってました。少しずつ読み進め、彼女の辛さや立場、取った行動などをかみしめつつ、当時の作品を思い返したり読み返したり。竹宮惠子との確執を残念に思いつつ、仕方ない事だと諦めるしかなく。
「この本を読むなら『少年の名はジルベール』(竹宮惠子の自伝) も読むべき」と言う人は多く、もちろん両者の言い分を公平に扱うためにもその方が良いのはわかっていますが、萩尾望都の心情を思うと、このまま永久凍土に埋めてしまおうと思っています。