森は消えてしまうのか?—エチオピア最後の原生林保全に挑んだ人々の記録
ジャンル | 単行本 |
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作者 | 松見 靖子 |
発行年 | 2015年 |
出版社 | 佐伯印刷(株) |
思い入れ度 | ★★★★★ |
店主のコーヒーの師匠が携わられたプロジェクトに関わる話
当店でお出ししているコーヒーは、エチオピアのベレテ・ゲラ森林で採れた豆を使用したスペシャルティコーヒーです。そもそもエチオピアの森で自生していたものがアラビカコーヒーの起源と言われていますが、その貴重な森が環境破壊により失われつつありました。そこでJICA(国際協力機構)によるプロジェクトで森林保全事業がスタートし、やがてフォレストコーヒー事業へと発展するのですが、困難の連続で・・・という実話をまとめた本です。多くの人の手を経て長きに渡り苦労して作られたコーヒー豆の価値を消費者に伝えるのは、最終的にはバリスタの腕にかかってくるわけですが、そこで師匠の登場となります。
エチオピアの人達に限らず、私達は普段、労せず得られる物、身の回りに当たり前にある物の価値に気が付かずに生きています。苦労して何かを育てて価値を生み出さなくても、手っ取り早く現金を得る手段を選択しがちです。そういう生き方について考えてみるきっかけになる本かもしれません。