「パンは平等な食べ物。どこでだって、隣に誰もいなくたってかじりつける。」
全6巻の内の第1巻です。2013年に滝沢秀明さん主演でNHKのドラマになったので、そちらを見られた方も多いかと思います。興味を引く美味しそうなタイトルに惹かれて購入しましたが、それとは逆に、いじめ、不倫、虐待、ネグレクト、のぞき、ストーカー、ホームレス、ジェンダー問題などなど、登場人物たちは様々な問題の渦中にあります。でも美味しいパンと包容力のあるオーナーとオーナーの妻の想いが、一人ひとりの救いとなっていく、そんなストーリーです。そのオーナーは妻と死別していて、一緒にパン屋をやっているのは妻を慕っていた男性。そういう関係性も説得力のある設定となっています。人の行動を理解するには、その背景を理解しないといけないな、と感じます。