第2回日本推理サスペンス大賞受賞作
1989年に賞を獲った後、1990年と2011年の2回、テレビドラマ化されました。ドラマになると、登場人物や設定が変更されるのが常ですが、2011年版では原作には出てこないパソコンや携帯電話が登場し、時代背景に合わせて大幅な変更がなされています。スマホが普及している2022年からみると、もう携帯電話さえ古く感じてしまうのですが、ストーリーそのものは古びていません。人を騙してお金を巻き上げるとか、騙された相手に殺意を抱くとか、人間の本質に関わる部分をテーマにしているからでしょうね。
話の中に海外ドラマ「刑事コロンボ」の「意識下の映像」という回で使われたトリックが出てくるのですが、コロンボ好きの私にとってはその部分もおもしろかったです。