本の購入を介してやり取りされた実際の往復書簡
1949年から20年続いた、ニューヨークの女性脚本家(ヘレーン・ハンフ)とロンドンの古書店(マークス社)の男性スタッフ(フランク・ドエル)との実際の往復書簡を抜粋したもの。
最初は丁寧なやり取りから、徐々に親しみとユーモアを交えた文章になり、物資のやり取りもするようになり、とお互いの距離が縮まっていくのがわかります。当時のイギリスでは食料品が配給制だったようで、それを知っているヘレンはフランクの対応へのお礼にクリスマスやイースターなど特別な日に合わせて、缶詰やハムや卵をプレゼントするようになります。それを機に、他のスタッフやフランクの妻がお礼の手紙を書いたり、と関係が広がっていきます。
この頃は当然インターネットも電子マネーもありませんので、古書店が手に入れてくれる本の状態は届くまでわからないし、支払いは現金(米ドル)を郵送しています。古書店側は最初「郵便為替で」と依頼してきますが、ヘレンの家の近くに郵便局がないとのこと。書店側の手間を考えると大変だったと思いますが、そういう融通もきかせてくれる時代だったのですね。
映画化されているようで、フランク・ドエルを演じたのはアンソニー・ホプキンス!観たいー。