医療マンガやドラマのさきがけとなった傑作 <全25巻>
手塚マンガの代表作として必ず名前があがるこの作品。天才的な技術を持つ外科医なのに医師免許を持たず、莫大な手術代を請求し、その風貌から気味悪がられるというダークでハードな人物設定にも関わらず、読者からは絶大な支持を得ています。かくいう私もその一人。高い手術代を請求するのはお金に執着しているからではないし、使い途も途中で明かされます。道義的な理由で全くもらわないこともあり、もらったお金を患者に渡してやることもあります。手術に絶対的な自信を持っていますが、どうにも助けられない患者もいて、敗北感や正当性に悩み苦しみもします。その人間性がとにかく魅力的です。
手塚マンガは、コマ割りも斬新なことで知られています。第一話では、いきなり車のクラッシュ場面から始まり臨場感抜群ですし、見開きいっぱいに様々な形のコマが詰まっていることも。視覚的に計算されていて、それもまた読者を惹きつける魅力の一つです。