アガサ・クリスティの名作をオマージュした作品
建築家である中村青司は、孤島に屋敷(通称 青屋敷)と十角形の館を建て夫婦で暮らしていたが、突然炎上した青屋敷の中で使用人夫婦とともに亡くなった。4人とも他殺とみられ、中村の妻の左手首は切断されていた。また庭師がいたはずだが、遺体は見つかっていない為、犯人と目されている。
その半年後、とある大学のミステリ研究会のメンバーが、残った十角館にやってくる。やがて学生達は、かの有名な『そして誰もいなくなった』のごとく、一人また一人と殺されていく。犯人は誰で動機は何なのか。
日本の新本格派ミステリーと呼ばれたデビュー小説で、これ以降「館シリーズ」が上梓されていきました。
「あの一文に震える」とか「あの一行に驚かされる」とか言われている本作。島に行った学生達が本名ではなく、ニックネームで呼び合うことがキーになっています。