和紙や包装紙や段ボールなど、身近にあるいろいろな素材を使って切り貼りした独特の絵と独創的なストーリー知られる作者。
台所でジャガイモが“かじられた”と言って泣いていて、他の野菜たちがなぐさめ、道具たちも仕返ししようといきりたつ。
彼らはこれから何をするのか、わくわくしますね。
この話を読んだ時思い出したのが、松谷みよ子の『ちいさいモモちゃん』の中の「にげだした ニンジンさん」というお話。モモちゃんにカレーライスを食べてもらおうと思って野菜たちが来てくれたのに、モモちゃんが「ニンジンはいやだ」と言ったので、泣いて逃げていくのです。
現実ではしゃべるはずのないモノたちがしゃべる世界。何の違和感もなく受け入れる読者。お互いの信頼感があってこそですね。