赤穂事件を知っているつもりになっていませんか?
1701年。元禄時代に江戸城松之廊下にて、赤穂藩主である浅野内匠頭が高家肝煎・吉良上野介に斬りかかった。浅野は切腹、吉良はお咎めなしとなったことで、翌年浅野家臣四十七士が吉良邸に討ち入り。吉良上野介を討ち取ったその足で泉岳寺まで行き、切腹した。
それから100年後、霊能力を持つお初は、2人の幼い子が殺される事件に遭遇する。また、とある大名屋敷の夜泣き石を目の前にした際、赤穂浪士と思われる討ち入りの場面を霊視することとなる。
子殺しと夜泣き石と赤穂事件がどう結びつくのか、複雑な筋ですが、作者にこの小説を書かせた2つの事実があります。
一つは夜泣き石の記述。根岸肥前守鎮衛(やすもり)が諸国の不思議な話や珍しい言い伝えを聞き集めて記した『耳袋』という書物。
もう一つは花岳寺にある赤穂浪士 四十七士を描いた掛け軸に、一人だけ背を向けた人がいること。
これらから想像を膨らませて、事件の謎解きと同時に、本当の赤穂事件とはどういうことだったのか、の謎解きにもなっています。
ドラマや舞台で脚色された「忠臣蔵」を史実のように思い込んでいた頭に、全く違う視点から物事を見ることを思い出させてくれた作品です。