“普通”だと思っていた人間への意外な評価に涙する。
『誰か somebody』で登場した主人公、杉村三郎の第二弾。
今多コンツェルンの広報室に勤務する杉村。優秀だと思ってアシスタントとして雇った原田いずみ。しかし履歴書は全くの偽り、嘘つきでクレーマーでトラブルメーカーだった。退職勧告をすると、逆にパワハラ・セクハラで訴えると言う。対処を任された杉村は、原田が以前勤務していた会社を訪ね、元警察官の北見に会いに行く。
他者に対する憧れや羨望が、怒りや妬みに変わり、悪意(毒)となって他者を傷つけていく。正義感が強く真っ当に暮らしていても、理不尽なことが起これば道を踏み外すことになる。毒は誰もが持っていて、誰の中にも入り込んでくる。
北見と杉村の会話の中で「普通の人」について言及する場面が出てきます。そして再会した時に、またその話をします。「普通の人間とはどんな人間なのか」。そこで北見が言うセリフが心に響いて、うるうるきます。